「 お宅に今、ナス ありますか?」 「 ない。」
「 じゃあ きゅうりは? 」 「 ないんです。」
「 じゃあ ほうきは? 」 「 ああ それなら・・・ 」
ほうきを取りに行くフリをして、受話器を耳から離した。
その場から 動く気力もなく、右腕を揉んだ。
もう このおっさんと、かれこれ3時間は電話をしている。
― 1時間くらい前 の電話の内容は こうだ。
「 日本人男子の何%がオナニーをしていると思いますか? 」「 さあ・・・ 」
「 適当でいいので、答えてみてください。」私はこの時、 高校時代のクラスメイト、伏見君を思い出した。
地味で無口で眼鏡。 一度ふざけてコンビニで 「伏見ばやし」 を買って与えてみたこともある。
以降、 あだ名が 「ばやし」 になった。
成績優秀なのに、何故かいつも 「大検」 の参考書を
小脇に抱える。
そんな彼、 オナニーなど興味あるだろうか??
「 99% 」 残りの1%は もちろん、伏見君だ。
「 実は100%なんですよ。」「 ・・・・・ 」
待ってましたとばかりに 男はそう言った。
もっと苦笑まじりに 返せよ、と思った。
その後、 当然のように 「じゃあ 女子は?」 と投げかけてきた。
バカバカしい。
期待に応えてやろうか。

「 20% 」
「 実は100%なんですよ〜 」 ・
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「 ほうき、持ってきましたけど 」

